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そらまめ

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そらまめ そらまめの原産地や祖先種はよく分かっていませんが、北アフリカや南西アジアが原産地とみられており、日本へは、奈良時代にインド僧の仙那によって中国から持ち込まれたという説もあります。記録に登場するのは江戸時代で、林羅山の「多識篇」に「蚕豆」の名が出てきます。蚕(かいこ)が繭(まゆ)を作る頃においしくなる豆という意味でついたとも言われ、この他、若莢の時に莢が上(空)を向くことから「空豆」とも書かれます。なお、英名は"broad bean"です。
そらまめの花 日本でそらまめの本格的な栽培が始まったのは、明治時代になってからで、ヨーロッパやアメリカの品種が導入され、試作を重ねるうちに現在の品種の基礎がつくられました。関東以西の冬期も温暖な地方で栽培され、最盛期には全国で4万haの栽培面積がありましたが、最近では激減し、四国と九州の一部で栽培されています。しかし、これら国内栽培の大部分は完熟前の軟らかい豆を食べる野菜としての利用で、乾燥豆については、ほとんどを輸入に頼っており、大半が中国、一部がオーストラリア、ポルトガルなどから輸入されています。

 フライビーンズをはじめとする炒り豆菓子の代表的な原料となるほか、甘納豆や餡にも使われ、大粒種を甘く煮てお多福豆が作られます。また、香川県では醤油豆に加工されます。なお、中国料理に欠かせない調味料の豆板醤(とうばんじゃん)は、そらまめを発酵させて作られます。