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あずきの栽培方法 ― 石川

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石川県(奥能登地域)

石川県では、奥能登地域を中心にあずきの栽培が行われています。栽培面積は140ha 程度と大きくはありませんが、地域独自の特色ある品種を栽培し、全国ブランド化を推進しています。石川県(奥能登地域)のあずきの栽培スケジュール、栽培作業工程等は、 以下のとおりです。

栽培スケジュール概要

石川県(奥能登地域)のあずきの栽培暦 石川県(奥能登地域)のあずきの栽培暦-秋型(石川県)

ほ場準備

排水良好なほ場を選びます。水田転作の場合は、ほ場周囲の排水溝のほか畦間にも明渠を設置します。耕起・砕土に当たっては、発芽揃えと苗立率向上のため、土塊の大きさを3cm以下にします。酸性土壌の場合は、石灰質肥料の苦土石灰(100kg/10a)により酸度矯正をします。基肥に化成肥料を施用(標準:燐加安5号20kg/10a)しますが、蔓ぼけ防止のため多肥は避け、野菜を栽培した後に作付けする場合は無施肥とします。

品種選定

極大粒で高級和菓子の原料として珍重されている地域在来品種「能登大納言」等が栽培されています。

播種

播種適期は7月中旬です。栽植様式は次のとおりで、10a当たり播種量は3~4kgです。

石川県(奥能登地域)のあずきの栽植様式
条間 株間 1株当たり播種粒数
80cm 20~25cm 2粒

タネバエ、コガネムシ類幼虫による被害を防ぐため、播種時に殺虫剤を土壌に混和します。また、播種後、出芽前に除草剤の土壌表面散布を行い、畑地1年生雑草の発生を抑えます。ハト食害、発芽不良等による欠株に対応するため予備苗を準備しておき、第1本葉展開時までに補植します。

中耕・培土等

雑草防除と倒伏防止のため、中耕・培土を2回行います。なお、培土作業の遅れ等から雑草が繁茂した場合は、手取り除草を行います。

石川県(奥能登地域)のあずきの培土作業実施方法
区分 実施時期 土寄せの位置
小培土 本葉3~4葉期 播種後20~30日 初生葉節まで
大培土 本葉5~6葉期 播種後30~40日 第1本葉まで

開花

9月初旬に開花期を迎え、約1か月間にわたり開花が続きます。

病害虫防除

子実害虫、モザイク病を媒介するアブラムシ類等を防除するため、開花期間中3回の農薬散布を行います。さらに、ハダニ類については、発生に応じ随時防除を行います。

石川県(奥能登地域)のあずき栽培における防除対象主要病害虫
実施時期 対象害虫
開花初期 アズキノメイガ、マメシンクイガ、カメムシ類、アブラムシ類
開花盛期 シロイチモンジマダラメイガ、アズキノメイガ、ツメクサガ、アブラムシ類、ハダニ類
開花終期 アズキノメイガ、マメシンクイガ、アブラムシ類
随時(発生時) ハダニ類

収穫

10月中旬に成熟期を迎えます。収穫は、「さやぼり」と呼ばれる莢の手摘み収穫又は株ごと一斉収穫をします。

石川県(奥能登地域)のあずき栽培における防除対象主要病害虫
  作業時期 具体的方法
熟莢の手摘み収穫 10月中旬~11月中旬 褐変した熟莢から2~4回に分けて順次手で摘み取る。
株の一斉収穫 11月中旬頃 熟莢率70~80%時点で株を一斉に刈取るか又は抜き取る。裂莢による収穫ロスを避けるため、作業は午前中に行う。

乾燥はビニールハウス内などで莢のまま行い、カラカラ音がする状態になったら脱粒し、未熟粒、被害粒、異形粒、夾雑物等を除去します。

(本稿はJAすずしホームページ「特産品と営農だより」の「小豆栽培ごよみ」等を参考にして作成しました。)