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あずき

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あずき あずきの原産地は一般には東アジアとされていますが、これまで明確に特定されるには至っていませんでした。アメリカの科学学術雑誌サイエンスに掲載された農研機構と台湾大学との共同研究結果(2025年5月29日公表)によると、アジア各地のあずき及びヤブツルアズキ(V.angularis var. nipponensis(Ohwi) Ohwi & Ohashi、あずきの祖先、野生種)約700系統の全ゲノム解析を行った結果、あずきの栽培化起源は3,000~5,000年前の縄文時代の日本中央部であることが明らかになりました。

 あずきの名の由来は、江戸時代の学者、貝原益軒の「大和本草(やまとほんぞう)」によれば、「あ」は「赤色」、「つき」及び「ずき」は「溶ける」の意味があり、赤くて煮ると皮が破れて豆が崩れやすいことから「あずき」になったとされています。なお、英語では、"adzuki bean"、"small red bean"などと表記されます(ただし、後者は、あずきではなく、"red kidney bean"より小粒で"mexican bean"とも呼ばれる赤色のいんげん豆の流通銘柄名を意味する場合が多いので要注意。)。

 日本では、縄文時代から古墳時代前期までの遺跡からあずきの炭化種子が発見されており、奈良時代初期の「古事記」に初めてその名が登場します。古来から人々の生活と密接に結びついた豆で、我が国や中国、朝鮮ではあずきの赤色に魔除けなどの神秘的な力があると信じられ、行事や儀式などに供されてきました。これらの習俗は中国に始まり、朝鮮半島を経て我が国に伝えられたとされています。

 日本の主要産地は北海道で、国内生産量の8割強を占めています。また、輸入ものは主として中国から天津小豆(てんしんしょうず)、東北小豆(とうほくしょうず)などの銘柄で輸入されています。

あずきの花 あずきの中でも、特に大粒で煮ても皮が破れにくい特徴を持つ特定の品種群は「大納言」と呼ばれ、流通・加工上、普通のあずきと区別して扱われ、一般的にあずきと言う場合は、大納言以外の普通品種を指します。なお、煮崩れしにくい特性を持たない品種は、いくら大粒であっても「大納言」と呼ばれることはありません。あずきの普通品種には、「きたろまん」、「エリモ167」、「エリモショウズ」等があり、作付面積は、「きたろまん」が約4割を占めています。また、あずきの種皮色は通常は赤(あずき色)ですが、黒、白、緑、茶、灰白、斑紋、白地赤斑などありますが、国内生産があるのは白小豆(しろあずき)と呼ばれる白系統で、岡山県の「備中白小豆」、北海道の「きたほたる」などの品種がごく僅か生産されています。 

 あずきのほとんどは餡や菓子の原料になり、和菓子、冷菓、菓子パン、汁粉、ゆであずきなどに用いられています。白小豆は貴重なあずきの白餡となり、生菓子、羊羹、最中等に用いられます。