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あずきの原産地は一般に東アジアと考えられています。しかし、最近、祖先野生種と考えられているヤブツルアズキ(V.angularis var. nipponensis(Ohwi) Ohwi & Ohashi)が、日本、朝鮮半島、中国からヒマラヤにいたる広い地域に分布していることが明らかになったことから、栽培化が起こった地域を再検討する必要が出ています。 あずきの名の由来は、江戸時代の学者、貝原益軒の「大和本草(やまとほんぞう)」によれば、「あ」は「赤色」、「つき」及び「ずき」は「溶ける」の意味があり、赤くて煮ると皮が破れて豆が崩れやすいことから「あずき」になったとされています。なお、英語では、"adzuki bean"、"small red bean"などと表記されます(ただし、後者は、あずきではなく、"red kidney bean"より小粒で"mexican bean"とも呼ばれる赤色のいんげん豆の流通銘柄名を意味する場合が多いので要注意。)。 日本では、縄文時代から古墳時代前期までの遺跡からあずきの炭化種子が発見されており、奈良時代初期の「古事記」に初めてその名が登場します。古来から人々の生活と密接に結びついた豆で、我が国や中国、朝鮮ではあずきの赤色に魔除けなどの神秘的な力があると信じられ、行事や儀式などに供されてきました。これらの習俗は中国に始まり、朝鮮半島を経て我が国に伝えられたとされています。 日本の主要産地は北海道で、国内生産量の8割強を占めています。また、輸入ものは主として中国から天津小豆(てんしんしょうず)、東北小豆(とうほくしょうず)などの銘柄で輸入されています。