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岩手県では、主に県南部、県南東沿岸部、県中央内陸部などであずきの栽培が行われています。栽培面積は平成の始め頃まで2,000ha以上ありましたが、最近では500ha以下に減少しています。栽培面積の全国シェアは1.5%程度で北海道以外の都府県の中では上位に位置していますが、10a当たり収量が北海道の3分の1以下のため、収穫量の全国シュアは0.5%程度に過ぎません。岩手県におけるあずきの栽培スケジュール、栽培作業工程等は、以下のとおりです。
岩手県のあずきの栽培暦
堆肥を10a当たり2t程度全面散布します(地力に応じて調節)。また、土壌診断の結果に基づいて適切な量の石灰・リン酸資材を施用します。各種栽培事例等から、基肥の標準的な施肥量はおよそ次のとおりです。
注:カッコ内は「岩手県農業研究センター主要農作物栽培基準」で示されている試験場内ほ場での施肥量
岩手県では、岩手県農業試験場が育成した普通小豆の紅南部(中生種(中の晩))、同農試が在来種(久慈在来)から系統分離した岩手大納言(中生種)、北海道立十勝農業試験場で育成されたベニダイナゴン(早生種)が奨励品種となっており、適応地域はベニダイナゴン及び岩手大納言は県内全域、紅南部は高冷地を除く県中北部以北とされています。しかし、実際には、これら以外の在来品種等も広く栽培されているようです。
各種事例等からみた標準的な播種期と栽植様式は、およそ次のとおりです。
奨励品種編入に関する資料*
播種直後に除草剤の土壌散布を行い、生育初期の雑草発生を抑えます。播種後1ヶ月頃、開花期前までに中耕を行います。
早生種では7月中下旬頃、中生種では7月下旬~8月上旬頃に開花期を迎えます。
防除対象とされている主要病害虫は、次のとおりです。
アズキさび病対策として7月上旬~8月中旬にかけて数回、殺菌剤の茎葉散布を行います。また、アブラムシ類対策として、播種時に土壌施用粒剤処理を行うとともに、7月中旬から数回殺虫剤の茎葉散布を行い、アズキノメイガ対策として、8月中旬から下旬にかけて殺虫剤の茎葉散布を行います。
早生種は9月中旬頃、中生種は9月下旬~10月上旬頃に成熟期を迎えます。収穫は、成熟期に達した株から抜き取り、ネットに入れて雨に当たらない場所で自然乾燥し、蒸れないよう詰め替えを数回行います。十分に乾燥させら、脱穀機で脱粒した後、唐箕で夾雑物を取り除き、さらにふるいにかけて土や屑粒を取り除きます。
(本稿は、「岩手県農業研究センター主要農作物栽培基準」(平成14年3月)、岩手県農業研究センターの「研究報告第18号」(昭和49年12月)、「同第23号」(昭和54年1月)、「同第25号」(昭和60年1月)等を参考にして作成しました。なお、「岩手県農業研究センター主要農作物栽培基準」については、同研究センターの試験ほ場を対象としたもので、一般農家の指導やほ場に適用するものではないとの注意書きが付されています。)