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あずきの栽培方法 ― 山形

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山形県

山形県では、最上、庄内地方を中心にあずきの栽培が行われており、栽培面積は150ha強です。全国シェアは栽培面積で約0.5%、収穫量で0.15%す。山形県におけるあずきの栽培スケジュール、栽培作業工程等は、以下のとおりです。

栽培スケジュール概要

山形県のあずきの栽培暦 山形県のあずきの栽培暦-秋型(山形県)

ほ場準備

排水が良く、保水力に富むほ場を選定し、水田を畑に転換して利用する場合は、十分な 排水対策を施します。酸性土壌の場合は、石灰質肥料によりpH値を調整します(目標pH値:6.0~6.5)。

一般的な施肥量(基肥)は次のとおりですが、転換畑など肥沃なほ場では、蔓化・倒伏しないよう施肥量を減少させます。

山形県のあずきの施肥量
  N(窒素) P(燐酸) K(カリ)
10a当たり成分量 2.5kg 7.5kg 10.0kg

品種選定

山形県では、北海道立十勝農業試験場で育成されたベニダイナゴンが、県の優良品種に指定されており、県全域で用いられています。

播種

播種期、栽植様式は次のとおりです。播種直後に除草剤の土壌散布を行い、生育初期の雑草の発生を抑えます。

山形県のあずきの播種期及び栽植様式
播種時期 栽植密度(10a当たり) 畦間 1株当たり本数
6月上旬 15,000本 75cm 2本立て
6月下旬~7月上旬 20,000本~25,000本

中耕・培土

生育中期の雑草防除を兼ねて、3葉期に第1回目、6~7葉期に第2回目の中耕・培土を行います。根の損傷により着花、着莢に悪影響を及ぼさないよう、第2回目は遅くとも開花2週間前までに終了させます。

開花

6月上旬播種では8月初旬、6月下旬~7月上旬播種では8月中旬頃に開花期を迎え ます。

病害虫防除

防除対象とされている主要病害虫は、次のとおりです。

山形県のあずき栽培における防除対象主要病害虫
区分 防除対象主要病害虫
病害 モザイク病(媒介昆虫:アブラムシ)
虫害 アズキノメイガ

モザイク病対策としては、無病種子の使用や罹病株の抜き取りに加え、アブラムシの防除を行います。また、アズキノメイガを防除するため、7月下旬~8月下旬(成虫発生期~産卵期)に殺虫剤散布を行います。

収穫

6月上旬播種では9月末、6月下旬~7月上旬播種では10月中旬頃に成熟期を迎えます。莢の70~80%が黒褐色になった段階で、ビーンハーベスタ又は刈払機を用いて一度に刈り倒します。乾燥は、杭掛け(収穫したあずきの束を1本杭に互い違いに割り掛け、円柱状に積み上げる集積方法)等により乾燥させるのが一般的ですが、降雨による品質劣化を避けるためビニールハウスを利用することが推奨されています。子実水分が18%程度になったら、ビーンスレッシャ等で脱粒します。脱粒後、静置型乾燥機(少量の場合は網袋)を用いて、15%まで仕上げ乾燥を行います。乾燥後、被害粒、未熟粒を除きます。

(本稿は「山形県畑作指針(平成13年3月)」等を参考にして作成しました。)