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熊本県のあずきは、昭和40年代前半には5,000haもの栽培面積を有し、北海道に次ぐ一大産地を形成していました。その後、熊本県のあずき生産は急激に減少し、最近では170ha程度となっていますが、九州では大分県と並んで栽培面積の多い県となっています。比較的まとまった作付けがみられるのは、県中央部の平坦低地地域~高冷地域、南西部の海岸島しょ地域、北西部の山麓地域等です。熊本県のあずきの栽培スケジュール、栽培作業工程等は次のとおりです。
熊本県のあずきの栽培暦
熊本県では、夏型、秋型両タイプのあずき栽培があります。かつて生産が盛んだった頃は、夏型栽培は平坦畑作地域で麦などの間作として行われ、秋型栽培は高冷地域、山間山麓地域及び島しょ地域で単作として行われていました。しかし、現在では、夏型栽培はあまりみられなくなり、地域を問わず秋型栽培が主流となっているようです。
堆肥は、0.5t/10a前後を投入します。肥料は、化成肥料を用い、10a当たり施肥量はおよそ次のとおりで、すべて基肥として施用します。
品種は、ほとんどの場合、地場品種や在来種が用いられているようです。播種適期及び代表的な栽植様式は、作型ごとに次のとおりです。なお、夏型は、かつて広く行われていた麦との間作栽培時の例です。
播種後約40日前後に培土、開花期に害虫防除を行うほか、適宜、除草を行います。
収穫時期は、夏型栽培で7月下旬~8月上旬、秋型栽培では10月下旬頃です。収穫は成熟株を抜き取る方法で行い、収穫した株は自然乾燥させます。未熟粒まで乾燥したら、脱粒機で脱粒を行った後、唐箕で風選し、夾雑物、被害粒、未熟粒を除去します。
(本稿は、「府県産雑豆生産流通実態調査報告書(第2年次報告)」(平成2年6月、農産調査会)などを参考にして作成しました。)