本文へスキップします。

H1

あずきの栽培方法 ― 兵庫

コンテンツ

兵庫県(丹波地域)

兵庫県のあずきの栽培面積は600ha~700haで、全国シェア約2%を占め、西日本では京都府と並ぶ大産地となっています。まとまった栽培が行われているのは丹波地域、但馬地域、西播磨地域で、特に、丹波地域を中心に栽培されている品種「丹波大納言」は全国ブランドとなっています。兵庫県丹波地域のあずきの栽培スケジュール、栽培作業工程等は、以下のとおりです。

栽培スケジュール概要

兵庫県(丹波地域)のあずきの栽培暦 兵庫県(丹波地域)のあずきの栽培暦-秋型(兵庫県)

ほ場準備

排水の良いほ場を選定し、水田を畑に転換して利用する場合は、明きょ等の十分な排水 対策を施します。播種1週間前までに、石灰質肥料の苦土石灰(100kg/10a)と、あずき用に各肥料成分が配合された小豆化成を元肥として施用(40kg/10a)し、耕うんして土とよく混ぜておきます。雑草の多いほ場では、播種前に除草剤の雑草茎葉散布を行います。

(参考)兵庫県(全域)のあずきの施肥基準(10a当たり成分量)
区分 N(窒素) P(燐酸) K(カリ)
 基肥(整地時) 3~5kg 9~11kg 7~8kg
 追肥(開花時) 2~4kg 2~4kg

注:肥沃地では基肥の窒素は無施用。追肥は生育状態が劣る場合に行う。

品種選定

兵庫県丹波地域では、極大粒で高級和菓子の原料として珍重される「丹波大納言」が用いられています。

播種

播種期は7月中下旬です。種子伝染性病害、タネバエや鳥害を防止するため、播種前に塗抹処理により種子消毒を行うことが推奨されています。栽植様式は、次のとおりです。

兵庫県(丹波地域)のあずきの栽植様式
作業体系 畝幅 条間・条数 株間 1株当たり播種粒数
120~140cm 50cm・2条植 35~40cm 2~3粒
機械化一貫 140cm 70cm・2条植 30cm 1~2粒

播種深度は4cmを基準に、ほ場が乾燥している場合は深め(約5cm)、湿潤な場合は浅め(約3cm)とします。播種量は10a当たり3kg程度となります。播種後、除草剤の土壌散布により雑草防除を行います。

間引き・補植

本葉1枚目の時期に、1株当たり2本立てになるよう間引きを行い、欠株がある場合 は、補植を行います。補植は、特に1粒播きとなる機械化一貫体系では、収量確保のため に必要な作業とされています。

中耕・培土

8月中旬頃(4~5葉期)、除草を兼ねて中耕・培土を行います。この際、本葉1枚目 の節まで土を寄せます。これ以降の中耕・培土は、根を傷め花芽の生育に悪影響を与えるため行わないようにします。

追肥

開花始めに、追肥としてNK化成2号(窒素とカリウムの2成分からなる化成肥料)を施用(20kg/10a)します。

開花

9月に開花期を迎えます。

病害虫防除

次のような病害虫を防除するため、開花期直前から9月下旬までの間、病害虫防除基準 に沿って、適時適切に農薬散布を行います。

兵庫県(丹波地域)のあずき栽培における防除対象主要病害虫
区分 防除対象主要病害虫
病害 さび病など
虫害 アズキノメイガ、マメノメイガ、アブラムシ、ハダニ類など

収穫

収穫時期は、11月上中旬頃です。雨による品質劣化を防ぐため、熟した莢は逐次手摘 みにより収穫していき、熟莢割合が全体の70~80%になった段階で株ごと刈り取ります。未熟粒が乾燥したら脱粒し、その後、再乾燥して水分が17%になるように調製します。

(本稿は兵庫県柏原農業改良普及センター「丹波地域技術情報(丹波大納言の栽培)」JA丹波ひかみ「営農情報・特産物栽培情報」等を参考にして作成しました。)