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あずきの栽培方法 ― 青森

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青森県

青森県では、県の南東部を中心にあずき栽培が行われており、最近の栽培面積は300ha強です。全国シェアは栽培面積で約1%、収穫量で約0.4%です。青森県におけるあずきの栽培スケジュール、栽培作業工程等は、以下のとおりです。

栽培スケジュール概要

青森県のあずきの栽培暦 青森県のあずきの栽培暦-中間型(青森県)

ほ場準備

排水の良いほ場を選びます。排水が不良なほ場では、明きょや暗きょ排水により地下水位を低下させます。酸性土壌の場合は石灰質肥料によりpH値を6.0~6.5に矯正します。元肥の施肥量は次のとおりです。

青森県のあずきの施肥量
  ほ場の地力 N(窒素) P(燐酸) K(カリ) Mg(苦土)
10a当たり
成 分 量
高い 0kg 15kg 10kg 3~4kg
並み 2~3kg 15kg 10kg 3~4kg
低い 4~5kg 15kg 10kg 3~4kg

なお、あずきの生育の健全化と冷害抵抗性を増すため、たい厩肥を10a当たり1.5 t施用します。ほ場は深耕し、ロータリーで十分に砕土しておきます。

品種選定

青森県では、青森県農業試験場が在来大納言から育成した大納言(晩生種)が奨励品種となっており、県内全域で用いられています。そのほか、北海道立十勝農業試験場で育成されたアカネダイナゴン(早生種)も一部で栽培されています。同県では、これらはいずれも中間型品種と位置付けられています。

播種

播種期と標準的な栽植様式は、次のとおりです。1箇所2粒の点播で、播種量は10a当たりおよそ3~4kgとなります。

青森県のあずきの播種期及び栽植様式
品種 播種時期 畦幅 株間 仕立本数 栽植本数/10a
晩生種 5月中旬~下旬 70cm 12cm 2本 23,810本
早生種 5月下旬~6月上旬 70cm 17cm 2本 16,807本

種子伝染性のアズキモザイク病を防ぐため、無病種子を使用した上、媒介昆虫であるアブラムシ類を防除するため、播種時に浸透性殺虫剤を土壌施用するか出芽後に株元散布します。また、播種直後に除草剤の土壌散布を行い、生育初期の雑草発生を抑えます。

なお、欠株が生じた場合は、できるだけ早めに追播や補植を行います。補植を行う場合は、初生葉展開期~2葉期の苗を用い、降雨後の温暖な日を選んで行います。

中耕・培土

播種後30日頃に、雑草防除を兼ねてロータリーカルチや小型管理機を用いて中耕・培土を行い、さらに2週間後頃に、初生葉節位が隠れる程度に2回目の中耕・培土を行い、倒伏を防止します。

なお、播種直後の除草剤散布と中耕・培土だけでは十分に雑草を防除できないため、生育期に手取り除草も行います。

開花

早生種では7月下旬頃、晩生種では8月中旬頃に開花期を迎えます。

病害虫防除

防除対象とされている主要病害虫は、次のとおりです。

青森県のあずき栽培における防除対象主要病害虫
区分 防除対象主要病害虫
病害 アズキモザイク病(媒介昆虫:アブラムシ)
虫害 アズキノメイガ

アズキモザイク病対策としては、生育初期に罹病株を抜き取るとともに、媒介昆虫であるアブラムシの防除を行います。また、アズキさび病対策として7月上旬~8月上旬に殺菌剤散布を、アズキノメイガ対策として7月下旬~8月中旬に殺虫剤散布を行います。

収穫

早生種は9月下旬、晩生種は10月上旬~中旬に成熟期を迎えます。熟莢が全体の70~80%に達したら、コンバイン又はビーンハーベスタで収穫しますが、成熟が不揃いの場合は、前者では品質が劣化するので後者が用いられます。霜に当たると乾燥が困難となり、豆の品質が著しく劣化するため、収穫は霜が降りる前に行います。また、裂莢による収穫ロスを避けるため、曇天日か朝露のある朝方に作業を行います。

乾燥方法は、結束株のビニールハウス内での乾燥、島立てあるいはニオ積みによるほ場での自然乾燥、又は乾燥機による火力乾燥のいずれかが用いられます。子実水分が20%以下になったら豆用自動脱穀機で脱粒し、子実をシート等に広げて天日乾燥するか機械乾燥により子実水分が15%になるよう仕上げ乾燥を行い、唐箕選で夾雑物を除去します。

(本稿は「青森県畑作物生産指導要領(平成11年3月)」等を参考にして作成しました。)